■Online Journal NAGURICOM 山明の『気圧の魔』研究会報告 |
第3章 憂鬱な季節とともに、新会員がやってきた
春である。花見である。酒だ、踊りだ、だんご3兄弟だ。
春は眠くなる。猫は鼠を捕ることを忘れ、人間は借金のあることを忘れる。時には自分の魂の居所さえ忘れて正体なくなる、と明治の文豪は書いた。
春はつらい。朝は起きるのを忘れ、昼は電車を降りるのを忘れ、夜には自分の帰る居所さえ忘れ、正体もなく終着駅まで行ってしまう。
眠いばかりじゃないのが、困るんですね。体がだるくて、気力がなくなる。
昨年は異常な一年だった。
春の菜種梅雨から五月晴れを通り越して本格的梅雨となり、梅雨は明けたのか明けなかったのか、6月に馬鹿に暑い日があったものの、その後は夏らしい夏もなく、連日、雨は降らないのに空はどんよりと、あるいはうっすらと曇ったまま、そのうちに台風が来て、はや秋雨前線が居座る秋になった。
いつまで続くぬかるみぞ。うんざりしたのは私ばかりではないだろう。
冬になって、やっと太平洋側は乾燥小雨、気圧配置も安定した、好天の日々を迎えることができたのだった。今年の冬は、それほど寒くもなく、私にとってはしのぎやすかったはずだが、暮れに体調を崩して入院、新年早々には例のインフルエンザでぶっ倒れるなど、散々な日々だった。
そして、この春である。
まもなく、台湾坊主がやってくる。東シナ海の台湾付近で発生した低気圧が,日本の南岸沿いを北東に速いスピードで進んでくるのだが、いやな奴ですね。このころには、二つ玉低気圧といって、本州をはさんで日本海岸沿いと南岸沖にできたアベック低気圧が、仲良く、歩調をあわせて北東に進んでくるという、とんでもないケースもある。
花粉症でないのがせめてもの救いだが、これからの低気圧来襲を考えると、春の心はのどか、とばかりははいかないのである。
さて、しばらく冬眠を決め込んでいた当研究会だが、やってくる低気圧に身構えるべく、準備をはじめなくては。
折りしも、当「『気圧の魔』研究会」に新会員が加わった。寄せられた電子メールの文言によれば、「気圧と酒」の関係に並々ならぬ関心をもつ御仁で、高気圧に効く酒や低気圧に効く酒について鋭意研究したいという、耳より情報つきである。
早くも有力なる「宴会部長」の誕生で、まず酒宴から活動再開といきますか。
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