■Online Journal NAGURICOM
沢栄の「さらばニッポン官僚社会」
<緊急速報10> 新工程表を実現のため「次の一手」を打て

(2011年5月18日PM1:30)

政府・東電は新工程表を厳守するために、「「次の一手」と最悪の事態への備えが必要だ。

「もはや言っていることが信じられない」と誰もが思っただろう。福島第一原発1号機の核燃料は、心配していた通りメルトダウン(炉心溶融)していた。2号機、3号機も高濃度汚染水が付近に見つかったことから、同様にメルトダウンしているのは確実だ。
政府・東電はこれまでメルトダウンを認めず「燃料の○%損傷」と説明してきた。しかし実態は、厚さ約16センチの鋼鉄製の圧力容器を溶けた高温度の燃料棒が数ヵ所にわたって穴をあけていたのだ。

政府・東電が17日発表した新工程表では、これまでの“実績”から計画通り進むとは思えない。この工程表を確実に実現させるには、原子炉の循環式冷却と汚染水の処理・再利用に向け、もはや東電だけに任せず、政府が他の原発専門家・専門作業員を日本全国の関係業界に呼び掛け、結集させることだ。米仏など友好各国にもさらに協力を求める。

もう一つは、今後不測の事態から発生する危険性がある原子炉内の水蒸気爆発や再臨界(核分裂の再連鎖反応)を防ぐべく、専門家の英知を結集すべきだが、同時に最悪の事態を想定した対応策を早急に詰め、公表しなければならない。情報の小出し、後出しは禁じ手だ。政府・東電は一刻も早く原子炉内の実態を正確につかみ、正直に情報公開する義務がある。