■Online Journal NAGURICOM
沢栄の「さらばニッポン官僚社会」
<緊急速報6> 原発の危機状況の真実を情報公開し、避難の段階的シナリオを明らかにせよ

(2011年4月7日PM1:00)

政府は即刻、原発の危機状況の真実を情報公開し、妊婦・乳幼児をはじめ人体への影響、避難の段階的シナリオを明らかにしなければならない。
東京電力が1万トン超の放射能汚染水を海に放出せざるを得なかったことは、事態のさらなる悪化を示す。放射性物質の漏出を止めるには、原子炉本来の冷却システム機能を一刻も早く回復しなければならない。

東電は6日夜、1号機の格納容器で水素爆発を防ぐため、水素濃度を減らす狙いで窒素ガスを注入した。東電の6日の発表によると、1号機は核燃料の約70%が破損・溶融したと推定され、損傷度は1〜3号機中最も高い(2号機は約30%、3号機は約25%と推定)。炉心溶融がこのまま進めば、水素ガスや水蒸気の爆発による放射性物質の大量放出の可能性がある。さらに核分裂が再び連鎖反応を引き起こす「再臨界」の可能性も完全に否定できない。

問題は、水漏れが示す格納容器内の機器やバルブ、配管の損傷だ。被曝限度をはるかに超える格納容器内の損傷個所を直して冷却水を回すのは、容易な作業でない。フランスからの放射能対応ロボットを活用するなど、急がなければならない。
ここで重要なのは、元原子力安全委員長など16人の原子力専門家が3月30日に発表した緊急提言だ。これをベースに、政府・東電は対策を組み立て、公表し、フルスピードで推進しなければならない。

注) 元原子力委員長ら16人による緊急提言は、起こりうる最悪の事態を次のように想定している。

特に懸念されることは、炉心溶融が時間とともに、圧力容器を溶かし、格納容器に移り、さらに格納容器の放射能の閉じこめ機能を破壊することや、圧力容器内で生成された大量の水素ガスの火災・爆発による格納容器の破壊などによる広範で深刻な放射能汚染の可能性を排除できないことである。