インターネット20年 あの事件の真相を追う!
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インターネットの本格普及からすでに20年近い。本書は、その間にインターネットが引き起こした国内外の代表的事件事故26件を選んで、その概要をなるべく正確に記録、あわせて若干のコメントや当時の貴重な資料を添えて、これからのIT社会を豊かなものにするための教訓を引き出そうとしたものである。
これらの事件を概観するだけで、インターネットおよびサイバー空間の登場が、現代IT社会に大きな、しかも特異な影を投げかけていることが、あらためてよくわかる。
取り上げた事件は以下の通り。
PART I
青酸カリをめぐるドクター・キリコ事件(1998)
東芝アフターサービス事件(1999)
出会い系サイトをめぐる事件多発(2001)
自殺サイトをめぐる集団自殺多発(2003〜2004)
小学6年生による同級生殺害事件(2004)
PART II
ウイニーによる情報漏洩と開発者の逮捕(2003〜)
マンション耐震強度偽装事件(2005)
みずほ証券の株誤発注事件(2005)
ライブドアと村上ファンド(2006)
PART III
学校裏サイトやプロフ 子どもたちの情報発信といじめ(2006〜)
ケータイ小説ブーム(2007)
秋葉原無差別大量殺傷事件(2008)
三菱UFJ証券社員による顧客情報持ち出し(2009)
検察官によるフロッピーディスクのデータ改竄(2010)
尖閣諸島沖衝突事件の映像流出(2010)
PART IV
東日本大震災とソーシャルメディア(2011)
サイバー攻撃&アノニマス&サイバー戦争(2011〜2013)
ツイッターによる安易なつぶやき(2011)
大津市のいじめと結婚詐欺&殺人(2011〜2013)
グーグルサジェストの悲劇(2012)
遠隔操作ウイルスで誤認逮捕(2012〜2013)
PART V【海外編】
クリントン・スキャンダル(1998)
ウイキリークスによる情報暴露(2010)
アラブの春(2011)
スティーブ・ジョブズの死(2011)
米政府による大規模諜報活動告発(2013〜)
最後に、本書の通奏低音として流れている「サイバーリテラシー」と「情報倫理」について説明し、IT社会が抱えている難点と今後の懸念についてまとめている。
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