■Online Journal NAGURICOM
 


矢野直明
『インターネット術語集II』
岩波新書■本体価格740円
 好評だった『インターネット術語集』の続編。
前著出版から2年半の間に、インターネットはいよいよ社会に浸透し、その上に成立したサイバースペースも規模を拡大、しかも大きく変容している。その間に新たに登場したり、大きな社会的意味をもつようになったりした術語を、前著と同じスタイルで解説したもの。改訂版ではなく、新しい書き下ろしで、両者を並べて読むと、この間のインターネット発達史を概観できる仕組みにもなっている。



 あるホームページに以下のような文章があった。「サイバーソースのグローバルでミッションクリティカルなデータセンターでは、いつでも利用可能なサイバーソースコマースエンジンが完備されています。これは毎日何十万というトランザクションを処理できる中核システムです。最先端技術を生かしたこのインフラは、過去のピーク期間のトランザクション量の十倍の量を処理する容量を維持できるように大規模なスケーラビリティを備えて設計されていますので、トランザクション量が急増しても確実に対処できる態勢が整っています」。ふつうの人にはまるでちんぷんかんぷんな事態が、IT社会の最先端で進んでいるということでもあろう……。

 ケータイ、ブロードバンド、ユビキタス・コンピューティング、ウエブサービス、XML、e−Japan、住基ネット、個人情報保護法、サイバー犯罪条約、出会い系サイト、電子ペーパー、ICANN、電磁波、ブログなどなど、取り上げられた術語は、著者がサイバーリテラシーの主な対象だとする技術、法と倫理、メディアを中心に、広範囲に及んでいる。



 サイバースペースが現実世界に突きつけている挑戦にどう応戦するかが、現代の人類に課せられた重要テーマだというのが著者の基本的見解で、「総メディア社会の到来」と題された第4章では、著者のメディア論が展開されている。情報のデジタル化は、マスメディアのあり方を大きく変えると同時に、パーソナルメディアの爆発的登場を促した。これからはマスメディアとパーソナルメディアが合流する先で「表現の自由」を実のあるものにしていくべきだと、著者は述べている。


[ 仲間の広場 INDEX ]


ご意見・お問い合わせトップページ

Copyright NAGURICOM,2000