日本の改革はなぜ失敗するのか ― 本書はこの問いに正面から答える力作だ。一言でいえば、官が政と業を支配しているためだ。では、その支配はどのようにして実現しているのか。
本書は次のような構成で、コロンボ警部のようにファクトを積み上げ、官の権限と利権の自己増殖ぶりを検証する。そこにみられるのは、国民不在の「支配とごまかしのテクノロジー」であり、「隠蔽のからくり」だ。
◇
- プロローグ 「改革」はなぜつねに失敗するのか
- 第一部 「官細胞」の実態
第一章 「改革」の負の歴史
第二章 増殖する「官」細胞 (一)規制
第三章 増殖する「官」細胞 (二)見えない政府
第四章 増殖する「官」細胞 (三)長期計画
第五章 増殖する「官」細胞 (四)特別会計
- 第二部 ごまかしと隠蔽のテクノロジー
第六章 金融恐慌のルーツ・大和銀行事件と住専問題
第七章 欺かれた改革 ― 道路公団・郵政民営化
第八章 裏切られた改革 ― 特殊法人問題
第九章 金融危機と官僚制
- 第三部 隠された支配のシステム
第十章 官僚支配を支えるシステム
第十一章 無責任を支えるシステム
第十二章 公務員改革という名の絶望
終章 パノラマ的展望
本書が日本の真の改革に向け、大いなる問題提起とヒントの書になることは間違いない。
|