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『2030年の世界』に寄せられた反響の一部をご紹介します。 (Amazonレビューはこちら) *書評・新刊紹介 リベラルタイム(2024年8月号) 2020年に発生した新型コロナウイルスのパンデミック以降、ロシアによるウクライナ侵攻、生成AIの勃興と、立て続けに社会に大きな影響を与える出来事が起こったという認識は多くの人々が共有していよう。本書は、大転換を迎えた世界がどのように変わるかを論考している。 北沢氏は、コロナ禍によって現実との生きた接触が失われ、メタバース等のデジタルイノベーションが加速する中で、我々の時空間意識は拡張し、活性化した意識が多様な創造活動に向かうと指摘。 AIについては、驚くべき進化の途上にあるとしながらも、人間を支配するような事態には至らないと予測する一方、生成AIが生み出す偽情報が社会への不信感を増幅し、民主主義が危うくなると警鐘を鳴らす。 また、生活困窮者の増加が「ベーシックインカム」の導入議論を促す等、従来の経済の仕組み、社会保障制度にも変化の兆しが現れるという。混沌の度合いを増す世界の今後を占う上で、示唆に富んだ意義深い1冊だ。 月刊ニューリーダー誌(2024年7月号) 生成AI時代に私たちはどう生きればいいのか。大河に似た世界史の流れは、想定外の新たな方向へ転じる。その流れの生起する「コロナ以後の社会」が活動の全貌を現す「2030年の世界」をくっきり浮き彫りにする。 山形新聞(2024年6月9日付) 厄難を払う緊急の一冊 人が人を殺し合い、暴挙におびえる現代。2度の世界大戦による反省の下に戦争は殲滅すると期待されたが、事態は真逆だ。 核大国による蛮行に、気象変動と地震が重なり、新型コロナウイルスパンデミック(世界的大流行)が世界を変えた。 一方、急成長する生成AIと仮想空間の拡張に、小躍りする社会。超監視、ドローン武器、サイバー攻撃、フェイク情報が行き渡る混沌の現代に、世界はどこへ向かっているのか? 本紙にコラム「思考の現場から」を連載している練達のジャーナリストによる、厄難を払おうとする緊急の一冊が出た。 本書は現状を見つめ考えることを促してやまない。スマートフォン任せに情報の垂れ流しに浸って「考えない人間」が増えている今こそ、すこぶる貴重である。 思考を放棄すれば、それこそが権力者が望むところであろう。 時代状況を映し出すために二つの時計地図を用いた、と著者は述べる。広く概観を捉える「鳥の目時計地図」と、具体的に事例を検証する「虫の目時計地図」である。 例えば、デジタル資本主義により、米国において超富裕層のトップ1%が中間所得層の資産額全てを上回るに至った。 それは大多数の貧困化を招いているが、世界中で検証、実施され始めたベーシックインカム(定期的現金給付)の重要性を著者は力説する。 我が国でも新型コロナ禍で、国民1人当たり一律10万円の特別給付が人々の生活をひとまず支えた。 そのような現金給付が毎月継続されるならば、富裕層からは反発を受けるであろうが、究極のセーフティーネットになりうるであろう、と。 盲信的な技術信仰、民主主義の分断、専制主義の横暴、政治の無力。問題は山積している。 メタバースといった仮想世界、想像力によるタイムスリップなどの「時空間の拡張」を志向する意思こそが、世界を変えることができる。 真理と善、美による新たな文明形成を図ろうと「創造的自己表現」を目指す営為が明日の世界を救いうる、という提言が眩しい。 <評者は県詩人会長・万里小路譲氏(鶴岡市)> *読者の反響
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